標準世界語エスペランテート(連載第26回) - ザ・コミュニスト

五 種々の構文

? 話法

 エスペランテートの間接話法は、時制の一致を必要としない。

 英語などの間接話法に現れる時制の一致法則が存在しないことは、祖語エスペラント語と同様である。ただし、この法則の意味するところは、両者で異なっている。 エスペラント語では、動詞の時制変化を前提に、間接話法文の主節の動詞と従属節の動詞の時制が食い違っていてもよいことを示す。例えば「私は昨日、太郎に明日来るつもりだと言った。」という例文では、この日本語文と同様に、主節の動詞は過去形、従属節の動詞は未来形と一致しなくてよいわけである。 これに対して、エスペランテートにあっては、動詞は時制変化しないのであったから、時制の一致ということがそもそも問題とならず、動詞はすべて統一活用形-asで一貫する。上例では、次のようになる。

 Mi diras ar TAROU hierau, ke mi benas morgau.

 ただし、hierau(昨日)やmorgau(明日)のような時を表わす副詞を添えずに時制を表現する場合は、動詞が時制変化する結果として、次のように時制の不一致が起こる。

 Mi diris ar TAROU , ke mi benos .

 ちなみに、上例を変更して、「太郎は昨日、明日私が来るつもりかと尋ねた。」という疑問文を内包する間接話法では、疑問を表す従属節を「〜かどうか」を意味する接続詞chuで導く。時制の一致がないことは同様である。 

 TAROU demandas mi hierau, chu mi benas morgau.

 直接話法は、従属節を引用符で囲んだ会話文で示す。

 上記二つの例文を直接話法で書き換えてみると、次のとおりである。

 Mi diras ar TAROU hierau,mi benas morgau.

 TAROU demandas mi hierau,bi benas morgau ka ?