天宮の乙女達…タジリスクの聖戦(9G) 101 - くまだから人外日記

「中継地点に到着しましたよ。真田乙女殿」

「まあ。本当に揺れの少ない機体ですね。みんなが寝てしまうのも理解出来ます」

操縦士を労う様にクインは笑って言う。

「ではこれで私は次のミッションが控えておりますので」

「上官の提督と大老へよろしくお伝え下さいね」

「了解しました。武運長久を」

重力圏を離脱すべく最大火力で浮遊する輸送挺。

「武運ですか。これもまた戦いなのですね」

「長旅ご苦労様でしたお待ちしておりました。少し前、真田様宛てに通電がありました。発信元は蠍典芽…」

「ティガーからですね。ご苦労様です。頂戴しますね」

待ち受ける武官から手持ちのリバースキーに文面の転送を受けて、画面を見るなりクインは絶句した。そりゃそうよね。獅子原瑠璃…私の遺体を発見した報が第一文面に記されていては。

あれ?じゃあ今これを独白している私は死んでいるって事?それはビックリだわ。多少の事では驚かないつもりだけど。

ええとぉ…で、どうして私がそんな事に??

「死ね…」

「易々と殺されてたまるものですか。命はひとつなんだから」

「違いない。それはこちらも同じ。抜刀せよ。最大級の力を持って命を頂こう」

「詭弁ですね。対等な決闘ではないものを」

「勝てば大義敗れれば賊軍の戯言。それが戦争だと良くご存知の筈。帝国の虎と評された貴兄ならば」

「ふふ。どうやら私の命運が試されておるようですね」

「運に頼らず勝ち残るとでも」

「逆ですよ。微かな運にしがみついてでも生き延びてみせます」

「では、いざ勝負」

「皇帝よ。我に武運の誉を与えよ。来い。連邦の若き竜よ」

「歴史の藻屑と消えよ。帝国の名の元で武勲を集めし古き策略の虎よ」

【連邦の若き竜】

その時代、帝国の圧制に屈す事無く抵抗を続けた星や国の集合体をそれぞれ連邦と呼び単独の抵抗勢力とは区別して呼ばれていた。

そのひとつに属すると目される若い騎士のひとりが群を抜いて卓越した剣技をして『竜』と敬われ呼ばれていた。(キルゴリア大歴書より抜粋)

「千年史を紐解いている時間は無いの。拿捕された人々を解放する。それが今の私に課せられた使命よ」

「捕らわれの身でありながら、その身の命乞いではなく捕虜の解放を試みるとは、流石戦巫女」

「ふふ。とは言っても、今の私は手も足も出せない。せっかく脱獄したっていうのにね」

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筆者敬白